今年、父が亡くなりました。まだまだ元気だと思っていた矢先のことでした。葬儀の準備、役所への届け出、相続、名義変更……悲しみに浸る間もなく、次から次へとやらなければならないことが押し寄せてきます。
そんな中で、「もっと生きているうちにやっておけたことがあったな」と痛感しました。
亡くなった後、遺族がやることはとても多い
まず、現実問題として亡くなった直後から、やることが本当に多いです。具体的には以下のような流れになります:
- 死亡診断書の受け取りと提出
- 葬儀会社との打ち合わせ
- 通夜・葬儀の段取りと案内
- 死亡届と火葬許可証の申請
- 年金・健康保険の手続き
- 銀行口座・クレジットカード・公共料金などの解約や名義変更
- 相続の準備と戸籍集め
それぞれが初めてのことで、わからないことだらけで、もっと事前に話したり準備しておけばと思いました。
ChatGPTを使って登記手続きを自分でできた
登記手続きというと司法書士にお願いするのが普通だと思っていました。でも費用もそれなりにかかるため、できることは自分でやってみようと考えました。
ChatGPTに「法定相続情報一覧図の作成方法」や「登記申請書の書き方」を聞いてみると、意外にもかなり実用的な情報が得られました。相談しながら必要な書類を揃え、法務局に申請してほぼ修正もなく無事に申請が完了。
ds実際にChatGPTに質問したことを時系列で以下に書いておきます。
特に難しいプロンプトも書かずに対話形式で少しずつ修正していくことで申請書が作成できました。
1. 登記申請書の作成について
- 相続による所有権移転登記の申請書の書き方
- 登記申請書のどこに非課税情報を記入すればよいか(→「登録免許税」欄に記載)
2. 非課税に関する取り扱い
- 課税価格のうち一部の土地だけが非課税の場合の記載方法
- 「租税特別措置法第84条の2の3第1項」による非課税の土地の書き方
- 公衆用道路の相続時の扱い(持ち分のみを相続し、非課税対象になるか)
3. 遺産分割協議書について
- 宅地+土地(または「土地と居宅」)を相続するための協議書のひな形作成
- 公衆用道路(共有持分)の記載方法
- 共有名義で持ち分記載がない場合の考え方(人数割が基本)
4. 登録免許税について
- 評価額に応じた登録免許税の具体的な計算
- 相続登記の登録免許税の計算方法
- 非課税の土地は合算しない(課税対象の土地のみ合算して計算)
- 公衆用道路も原則として非課税になる
周囲の方からも各手続きは頼むとそれなりにお金もかかると聞いていたのでChat GPTを使いながらうまく申請が終えて良かったです。
故人目線でやっておくといいこと
今振り返って、父がやってくれて助かったことと、「やっておいてくれたら嬉しかったな」と思ったことがあります。
- 銀行口座情報をメモに残していた
これはとても助かりました。口座番号・支店名・名義・カードの場所などが手書きで書かれており、スムーズに解約・残高確認ができました。 - 葬儀に呼ぶ人のリストがなかった
これは困りました。父の学生時代の友人や、昔の職場の方など「呼びたかったのに呼べなかった人」が出てきました。
人付き合いが多かった方ほど、生きているうちにリストを作っておくと遺族が助かります。 - 持ち物の整理やメッセージ
できれば、写真や大事なものには一言メモがあるとよかったなと思います。「これは誰にもらったのか」「どこで買ったものなのか」など、モノに物語があるからこそ、判断に迷う場面が多くありました。


遺族目線でやっておくといいこと
自分が遺された立場として、そしていつか自分も誰かに遺される立場になることを考えて、やっておこうと思ったことがあります。
- 自分の通帳や保険、カードの情報をリスト化しておく
ログインパスワードまでは難しくても、どこにどんな契約があるかがわかるだけでも違います。 - 親しい人の連絡先リストを作る
葬儀やその後のお知らせをする時に、誰に連絡をするべきか明確にしておくと家族の負担が減ります。 - 小さな口座の整理
数百円だけ残っていた口座が凍結され、手続きをするのに印鑑証明・交通費で数千円かかるということもありました。早めに解約しておくのが良いと思います。


まとめ:生きているうちに、できることは意外と多い
父を亡くして初めて、故人にも遺族にも「やっておくといいこと」がたくさんあることに気づきました。
こうして私が得た経験が、今これを読んでいるあなたの役に立てば嬉しいです。
準備というのは「死ぬ準備」ではなく、「生きた証を大切に残す準備」だと思います。今のうちに、できるところから少しずつ始めてみませんか。
